この日、佐賀市内のアバンセで佐賀県主催の明治維新150年記念シンポジウム「幕末維新さがのチカラ」が行われました。歴史学者磯田道史氏のオープニングトークに続き、岡田晃氏(経済評論家)・植松三十里氏(歴史小説家)・山口佐賀県知事らによるシンポジウムが行われました。徴古館からは富田主任学芸員が登壇し、当館の資料を通じて鍋島直正公の考えや取り組みについて紹介。150年を機に歴史を振り返る上で、当館の鍋島家伝来資料の活用がますます増えそうです。 | ||
* 当日の概要は、佐賀新聞サイトで読むことができます http://www.saga-s.co.jp/column/ishin150/25802/416621 |
大正2年(1913)の直正公銅像除幕式の日は小雨でした。それから104年を経た今日。快晴のもと15代鍋島直晶様はじめ来賓や関係者、地元小学生たちの手により再建された銅像の幕が除かれ、戦時中の金属供出から73年ぶりに英姿が現れました。総高8m超の巨像が建つ場所は、直正公が藩主就任直後の5年間を過ごした佐賀城二の丸跡。藩内をまとめる上で苦心したのが特にこの時期。一丸となり偉業を成し遂げた幕末佐賀藩の象徴として、そのリーダーが佐賀のまちを見守り続けることでしょう。
徴古館2階ホールにて、響奏の吟遊詩人「風の歌」主催のアカペラコンサートが開催されました。「うれしい雛まつり」「朧月夜」などお馴染みの曲や「賛美歌531番」「越天楽」など幅広い種類の12曲に加え、アンコールでは「古里」を会場の皆さんと一緒に歌いました。参加者からは「心が洗われるよう」との感想も。11代鍋島直大公の曾孫にあたる鍋島久美子氏の指揮のもと、14名のメンバーが織りなすハーモニーに包まれるひとときを、110名の方にお楽しみいただきました。 |
新春恒例となりました香道体験会「初春の香りを楽しむ」を1月22日(日)に開催。志野流香道九州松隠会 椛島 禅徹先生のご指導、佐賀香遊会の方々のお点前のもと、今回は「松竹梅香」という組香を行いました。伽羅や真那伽といった貴重な香木の香りに、新春らしい松竹梅の情景を描きつつ、それぞれの香りを聞き分けます。全ての香りを当てるのは難しかったようですが、微かな香りに集中し、心を澄ますひとときを、午前・午後の部あわせて77名の方にお楽しみいただきました。 |
明治時代から150年近く、東京・青山霊園内に鍋島家御墓所が営まれましたが、時代の推移とともに東京での墓参や管理が次第に困難となり東京都に返還されました。これにより11代直大公と胤子・栄子両夫人、12代直映公・禎子夫妻および直大公実母の瀧村様のお墓は春日御墓所へと改葬されました。分家の方や直正公末弟の文武様のお墓も同時に改葬され各家々の墓所へ移り、12月11日(日)には鍋島家ご当主をはじめ関係者が参集し、春日御墓所にて改葬奉告祭を執り行いました。 |
今年度最後となる第4回の探訪会はあいにくの雨天となりましたが、75名の参加を得て「佐賀城下の水系 東めぐり」をテーマに開催。どの河川や堀が、どのような役割を担ったのか、古地図等の資料をもとに探訪しつつ、西は龍造寺八幡宮裏の十間堀から東は佐賀江と巨勢川の結節点まで、約9kmのコースを散策しました。また、佐賀市教育委員会のご協力で、今まで詳細な場所が特定されていなかった構口の発掘調査による最新の状況を現地で見学させていただき、参加者の方々から大変ご好評でした。 |
今年度3回目となる探訪会では「城下と有明海をつなぐ川港」をテーマに三重津・寺井津・諸富津周辺の約6kmのコースを散策。日差しはまだ強いものの、爽やかな秋風の中での探訪会となりました。市・世界遺産課の前田さんより三重津海軍所跡や御船屋跡をじっくりとご説明いただき、また寺社の多いこの一帯で、各寺社の方より直々にお話を伺い、本堂まで拝観させていただくなど、海運や漁業で栄えた往時の賑わいに思いを馳せる一日となりました。 |
今年度2回目の探訪会のテーマは「2代佐賀藩主鍋島光茂公ゆかりの地」。光茂公が自らの養育係・小倉女(おぐらめ)の菩提を弔うために建立した妙念寺をはじめ、42人の子女をもうけた光茂公が早世の子女のために建立した善応庵、歴代藩主による法華経一万部誦経を記念した万部塔のある万部島などの寺社や史跡を見学。気温33℃という真夏のような晴天のもと約10kmのコースでしたが、訪れる機会の少ない探訪地や由来を知ることができて良かったとのお声を頂きました。 |
今年が有田焼創業400年にあたるのを記念し、今年度1回目の佐賀城下探訪会では有田・伊万里を訪れました。400年前、磁器生産開始の契機となった泉山の磁石場や有田焼を支えた内山地区の伝統的な町並み、伊万里では流通の拠点となった伊万里津や鍋島藩窯が置かれた大川内山などを見学しました。400年を機にメディアでも紹介される機会が増えましたが、実際に訪れて感動したという声を多く頂きました。「ありたれきみん応援団」はじめ地元の方々のご協力により、400年の歴史を肌で感じられる1日となりました。 |
文化庁支援事業「古地図で佐賀城下の魅力再発見!」の一環として佐賀城下探訪会などを行っているさが城下まちづくり実行委員会では、毎月定例会を開催し事業を進めています。今回の定例会では、9月22日に開催予定の探訪会「有田・伊万里バスツアー」に向け、当日の行程の確認や配布資料の製本を行いました。1冊71ページの資料200部程が慣れた手捌きで次々と仕上げられました。この資料は探訪会当日以外でも、徴古館にて1冊500円でお求めいただけます。 |
8月28日、13代鍋島直泰夫人・紀久子様の婚礼調度であるプレイエルのピアノを用いた小音楽会を開催しました。平成13年よりスタートし、今回で22回目。今回の演奏者は、子供から大人までを対象とした音楽教育に心血を注ぐ傍ら、合唱、声楽、器楽など数々の舞台で伴奏者としてご活躍されている山田幾子さん。午前・午後の部あわせて115名の皆さまには、バッハやモーツァルト、ブラームス、そしてプレイエルをこよなく愛したショパンの名曲をお楽しみいただきました。 |
日本赤十字社の近衞忠煇社長ご一行がご来館されました。10代藩主鍋島直正公の娘宏姫が熊本藩主細川家に嫁いでいることから、細川家ご出身の近衞社長は直正公の曾々孫(玄孫)にあたられます。 前日に唐津赤十字病院の落成式典で佐賀県を訪問され、鍋島家ゆかりの当館へもお立ち寄り下さいました。館内では展示中の日赤篤志看護婦人会会長を永年務めた鍋島栄子関係の資料などをご覧になられた後、系図をもとに歓談され、近衛家・細川家・鍋島家のご縁について認識を新たにしておられました。 |
6月10日・13日・14日の3日間にわたり、今年度の佐賀城下探訪会の下見を行いました。城下絵図などの古地図をたよりに現地を歩き、三重津・寺井津・諸富津では有明海と城下をつなぐ川港の面影を探り、城下付近の水路や堀、川も調査。また9月バスツアーで探訪予定の有田・伊万里では、有田焼400年の歴史を育んだ有田の町並みや陶磁器流通の拠点として栄えた伊万里津、鍋島藩窯で知られる大川内山などを訪れました。下見結果をもとに4回のコースを検討したのち、HP・チラシ等で詳細な開催情報をご案内する予定です。 |
郷土佐賀に関する研究を支援する当会研究助成の第15回報告会を徴古館2階で開催しまし た。昨年度に助成を受けた5名によるそれぞれの報告に対し、当財団理事で徴古館館長の高島忠平より講評・助言がありました。佐賀の植物・歴史・民俗にわたる各報告に、ご参加いただいた53名の方からの拍手が響きました。今回報告された平成27年度の研究成果と平成28年度分を合せた研究報告書 第8号は、来年度に刊行予定です。 研究報告者・報告内容はこちら |
郷土佐賀の研究を奨励するための当会研究助成の本年度分(第16回)が決定し、徴古館にて授与式を執り行いました。今年度の授与者・研究テーマは以下の通りです。 小野博司(神戸大学大学院法学研究科)「近代法の翻訳者」古賀廉造の研究」/貴田潔(静岡大学人文社会科学部)「環有明海地域における荘園制と地域社会のネットワーク」/東中川忠美(吉野ヶ里公園管理センター)「褐釉印花文技法の基礎的研究 -窯跡出土資料を中心として-」/伊藤慎吾(國學院大學文学部)「初期蓮池藩における八幡信仰とその担い手」/村松洋介(佐賀県教育庁文化財課)「佐賀県域における青銅器の受容と変容」 |