平成24年度の活動

2012年4月1日~2013年3月31日開催分

第13回佐賀城下ひなまつり開幕! 2013年2月16日

  春 の訪れとともに佐賀の街中がひなまつり一色に染まる佐賀城下ひなまつり。徴古館では恒例の侯爵鍋島家歴代夫人のお雛さまに加え、「極小のこものたち」と題 し小さくて愛らしい、精巧で細やかな細工物を展示しています。近代の上層階級で宴席の引き出物として贈られたボンボニエールや写実的な象牙細工など、いず れも息をのむ素晴らしさです。
なかでも徴古館スタッフの一押しは象牙細工の「バナナ」! 黄色い皮の柔らかさや白い果実の質感は実物そのものです。来館者の声も「なんでバナナなの?」「美味しそう!」とさまざま。ぜひ一度、ご覧ください。

香道体験「初春の香りを楽しむ」 2013年1月27日

  新 春イベントの香道体験は今年で4回目。今年は「松竹梅香」という組香を行いました(お点前は志野流香道九州松隠会の椛島禅徹先生と佐賀香遊会の皆さま)。 一月にふさわしく、松・竹・梅の三種の異なる香りを聞き分ける遊びで、満点の回答を出された方も少なくありませんでした。普段は体験する機会の少ない香道 とともに、皆さまは裏千家によるお呈茶も楽しまれていました(参加:午前24名/午後30名)。

第17回佐賀城下探訪会「城下の医史跡めぐり(2) ―城下西南地区」 2012年12月2日

  幕末の佐賀藩は、他藩に先駆けて西洋医学を取り入れ近代医学への転換を先進的に推進しました。城下北東部の医学・医者ゆかりの地を めぐった昨年度に引き続き、今回は西南部を対象とし、大庭雪斎や松隈甫庵・元南らのお墓、医学寮(好生館)や医者の屋敷地跡など探訪しました。城下絵図や 屋敷帳の読み解き、また墓碑の調査などに基づく新しい内容を丁寧に分かりやすく解説する佐賀大学青木歳幸教授のお話に、参加者74名の皆さまも佐賀藩医学 への理解を深められていました。

第16回佐賀城下探訪会「町人地のにぎわい ―蔵造りの家を訪ねて」 2012年11月18日

  雲ひとつない秋晴れの快晴に恵まれ、80名余の一団が城下東部(白山町・元町呉服町柳町上今宿町材 木町)を廻りました。江戸時代からの御用達(豪商)の歴史、今に残る歴史的建造物や蔵造りの家にまつわるお話を、講師や建物の所有者から解説頂き、その生 の声に、より身近に歴史が感じられたと大変好評でした。最後は屋敷帳等から解明された、松原神社参道の新馬場の成立、鳥居や石橋などの石造物を見学し、同 社に参拝して解散となりました。処々で紅葉も見られ、街中で秋を満喫した一日となりました。

第15回佐賀城下探訪会「長崎 観光丸クルージングと神之島」 2012年10月28日

  徴古館などで構成している、さが城下まちづくり実行委員会の第2回佐賀城下探訪会として、幕末佐賀研究会との共催で行った長崎バスツアーは、両会募集の定員150名いっぱいの参加で大盛況でした。幕末の蒸気船を復元した観光丸(やまさ海運 運航)には長崎からの方々を含め200名超が乗船。絶好の秋晴れの中の約1時間、長崎港・女神大橋間往復のクルージングで、台場や番所跡の位置を確認しながらかつて江戸時代に佐賀藩が福岡藩と一年交替で警備した長崎湾をめぐりました。
  下船後はバスで、幕末に佐賀藩が独自に台場を築いた神之島・四郎島に移動し、24ポンドカノン砲が実演されました。これは四郎島台場の国史跡指定にむけた祝砲で、鍋島家15代ご当主・鍋島直晶様を筆頭に、田上富久長崎市長ら7名の点火により、長崎湾に号砲が轟きました。通算15回目で初めて県外に足をのばした「佐賀城下探訪会」でしたが、次回(11/18「町人地のにぎわい ―城下東部・蔵造りの家をたずねて」)からは佐賀に再び舞台を移します。

講演会「鍋島直正と神野御茶屋」 2012年10月6日

  現在開催中の企画展「神野御茶屋 ―殿様の別邸」展の大園隆二郎氏(佐賀市文化財保護審議会委員)による記念講演会を開催したところ、52名の方々にお集り頂きました。10代藩主鍋島直正公の施政の概要や財政状況、藩主の本宅である佐賀城での藩士へのお目通しの儀式の場面など臨場感あふれるお話、また別宅としての御茶屋の役割など多岐に渡る講演でした。終了後には学芸員による企画展の展示解説を行いました。

第14回佐賀城下探訪会「藩祖直茂ゆかりの宗智寺と神野御茶屋」2012年9月16日

  台風接近のなか60名弱の 参加を得て、時には傘をさしての本年度第1回目の探訪会となりました。護国神社西の多布施川に架かる善左衛門橋、城下入口の多布施口から旧道を通って西峯 院の地蔵尊や宇野善左衛門の墓。藩祖・鍋島直茂公ゆかりの宗智寺ではご住職のお話や中村嘉田の墓を見学。最後は多布施川を上り、10代・鍋島直正公造営の 神野御茶屋に入りました。宗?流の皆さまによる呈茶の後、御茶屋造営についての講話を聴き、邸内をめぐりました。往時のまま残る静寂な空間は当時を偲ぶに 余りあり、大いに誇れる場と再認識したことでした。

中国・浙江大学による中国絵画の撮影 2012年9月4日

  中国・浙江大学が世界に点 在する中国各時代の絵画作品を対象に、2013年度より出版する絵画全集に掲載するため、当財団所蔵作品13点の撮影が徴古館で行われました。同大の金先 生ら撮影班による8×10フィルムの大判サイズでの撮影でした。中には徴古館企画展「神野御茶屋 ―殿様の別邸」展(平成24年9月24~12月1日)に 出品の呂紀筆「月渚宿雁図」なども含まれましたが、中国絵画の分野は徴古館で展示する機会が少なかったため、出版により作品研究が進むことが期待されま す。

服飾文化学会夏季セミナー 2012年8月8日

  人間国宝鈴田滋人氏の木版 摺更紗工房見学を主目的に8日~12日の日程で夏季セミナーが開催され、佐賀城本丸歴史館・九州陶磁文化館・今右衛門窯の見学のトップを切って、徴古館に みえました。佐賀藩の歴史や文化に触れて頂くことを主眼に、鹿鳴館時代の仮装舞踏服(鍋島直大・栄子夫妻着用)や能装束をご覧いただき、また古写真アルバ ムをご覧いただきながら、時代による服飾文化に触れていただきました。今回26名の先生方の中には、バッスルドレスの修復に尽力いただいた石井とめ子先生 の姿もありました。

第18回プレイエル小音楽会 2012年7月1日

  徴古館に備え付けのピアノ 「プレイエル」での小音楽会も18回目を数え、今回は深川めい子さん(うた/佐賀市在住)と徳田千佳子さん(ピアノ/伊万里市在住)のお二人に「心のまま に」をテーマに演奏していただきました。館内は満席の中、深川さんの「包容力のある深い声質と豊かな情感」のうたと、徳田さんの「情熱的で伸びやかな」ピ アノで、息の合った演奏に聴衆の皆様は大満足の様子。ピアノソロではプレイエルの音色も楽しめました。梅雨の蒸し暑さを吹き飛ばす、元気をいただいた演奏 会となりました。

 第11回研究助成報告会 2012年6月2日

  郷土佐賀に関する研究を支 援する当会研究助成の第11回報告会が徴古館2階で開かれました。昨年度に助成を受けた4名による報告ののち、各研究者に対し当財団理事で徴古館館長の高 島忠平より講評・助言がありました。今回の報告は以下の通りです。これらの研究成果は来年秋に刊行予定です。
・岡寺 良「寺院遺構からみた脊振山上宮・東門寺跡と中宮・霊仙寺跡の研究」/松下久子「肥前磁器における漆装飾の変遷と展開」
馬場良平「伊能忠敬測量隊の肥前国(特に佐賀県内)踏査とその足跡を追う」平尾洋美「佐賀にわか ―その系譜と佐賀の芸能」
 

『明和屋敷帳』と「文化御城下絵図(複製)」の発行! 2012年5月28日

  徴古館では、平成21年度 より文化庁支援事業「佐賀城下絵図を読み解き、まちづくりに活かそう!」の活動を行ってきました。当会所蔵の7期の城下絵図の公開・高精細デジタルデータ 化・パネル化、基本資料の解読作業と出版等です。その一環として、22年度の『元文屋敷帳』に続き、『屋鋪御帳扣(明和屋敷帳)』を出版しました。 1771年から明治初期に至る約100年間の、城下の武家地における藩士の動きを知る貴重な資料であり、あわせて当時の理解を助ける「文化御城下絵図」も発行しました。記者会見ではマスコミ各社の取材があり、大々的に広報して頂きました。
 

 第12回研究助成認証式 2012年4月6日

  郷土佐賀の研究を奨励するための財団法人鍋島報效会研究助成の本年度分が決定し、徴古館において認証式が執り行われました。今年度の研究助成授与者・研究テーマは、以下の通りです。
上田香苗(元佐賀県立博物館・美術館学芸員)「売立目録にみる鍋島緞通」/坂井清春(唐津市教育委員会文化課副主査)「唐津藩寺沢氏による領内支配体制の 形成 ―各支城の石垣と出土瓦の観点から」/林 美和(呉市海事歴史科学館学芸員)「近代佐賀の軍事史研究」/高橋研一(鹿島市民図書館)「鹿島鍋島家文書の基礎的研究 ―総合目録の作成による全容把握 と課題の提示」

 

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