黒漆塗杏葉紋散梅唐草文蒔絵鏡・鏡建
くろうるしぬりぎょうようもんちらしうめからくさもんまきえかがみ・かがみたて
江戸時代後期 宏姫所用
10代佐賀藩主鍋島直正の二女・恒姫(宏姫)の婚礼調度。
鍋島家の家紋である杏葉紋を散らし、全体に梅唐草文様の蒔絵が施されている。また、収納箱には恒姫(宏姫)の所用品を表す「寿」印が記されている。
恒姫は9歳にあたる安政6年(1859)に藩内の重臣・諫早家に嫁いだが、3年後に夫が16歳で病死。明治元年(1868)に12代熊本藩主細川護久に再嫁し、その際に名前を宏姫と改めた。
梅唐草文様は、細川家に伝来した宏姫の調度と共通する意匠。婚家に持参する婚礼調度が実家に残されることは少ないが、この度、本品が当財団の新収蔵資料となったことで、鍋島家から嫁いだ姫君の婚礼調度の華やかさを知ることができる。
参考文献:『永青文庫所蔵資料調査報告書 第三集 ―調度― 資料編』熊本県立美術館、2019年
展示案内
本品は「伝来品でたどる鍋島家の歴史
―佐賀藩主から侯爵へ」展 第3期
(11月11日~12月27日)にて初公開しました。 |
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