うらぎくもんつきおうじゅもんしっぽうかびん
明治時代中期~大正時代(19世紀末~20世紀初) 七宝製
1対 口径4.1cm 高さ24.5cm
全体を覆う桜花の淡い色合いが黒地に映える。桜の枝間でルリビタキが遊び、木々の合間を雀が舞う。桜樹の根元には花菖蒲などが咲いており、余白を活かしつつ色彩と生命感にあふれた情景。
金属線を貼り付けて輪郭を作り、その中にガラス質の釉薬を差して焼成する「有線七宝」の技法を用い、花弁やつぼみ、樹皮や葉脈、小鳥の羽毛などを繊細に表す。
銘は無いが、並河靖之の作に類似する。裏菊紋を用いた皇族ゆかりの品であり、鍋島家に伝来した。
背面 側面