かんえいごねんそうちゃくとう
寛永5年(1628) 縦30.6cm 横23.8cm 紙本墨書 冊子装
慶長12年(1607)、龍造寺家の家督を継承する形で藩主となった初代藩主鍋島勝茂公。本資料は佐賀藩で最初の本格的な藩士名簿で、勝茂公の時代にあたる寛永5年(1628)に作成された。知行高順に配列されており、筆頭は「知行 五萬七千四百五拾弐石 鍋嶋紀伊守」の鍋島元茂(小城鍋島家/勝茂長男)。2位以下は、諫早家・武雄家・多久家・鍋嶋孫平太(鍋島正茂・鹿島)・村田家(久保田)・須古家などの順に記載されている。鍋嶋孫平太を除き、いずれも龍造寺家系統の重臣で上位が占められている。
着到帳の記載順は後年になると変更される。例えば寛永19年(1642)の場合は、筆頭の元茂(小城/長男)以下、直澄(蓮池/三男)、直弘(白石/四男)、直朝(鹿島/五男)、直長(関家/六男)と、勝茂公の子供たちの年齢順と合致する並びになっている。
本資料は、巻頭に藩の什物を管理する御什物方(ごじゅうもつかた)の黒印、巻末に勝茂公の黒印があることから原本とわかる点でも貴重。
本品は「佐賀藩 初代藩主の子供たち」展(平成29年9月4日~11月4日)に出品しました。