ゆうさいいろえほうおうもんおおかびん
1900~1920年代 深川製磁 高さ69.0cm 口径28.4cm 底径23.0cm
色絵や青磁、染付などの技法を随所に駆使した大花瓶。肩から胴にかけて大胆に配された鳳凰は、染付と陽刻で羽毛などの質感までも繊細に表現されている。一見、無地の余白に見える乳白色の地の部分は、淡黄色の渦巻状の雲気文で埋め尽くされている。文様は、通常は人目に触れることのない底部にまで及んでおり、その中央には深川製磁製であることを表す「富士に流水」のマークが控えめに配される。
深川製磁は、香蘭社の設立者である8代深川栄左衛門の次男・忠次が明治27年(1894)に創立。パリ万国博覧会など内外博覧会へ積極的に出品した。同43年には宮内省御用達となり、以後宮家の来臨を仰ぐこととなった。翌44年には株式会社に改組し、鍋島家12代直映公が筆頭株主となっている。
本品は巡回展「明治有田 超絶の美」(岐阜県現代陶芸美術館:平成29年7月1日~8月27日)に出品しました。