公益財団法人鍋島報效会 徴古館


平成21年度の活動

活動紹介(今年度)

2009年4月1日~2010年3月31日開催分

「加賀 前田家からの里帰り」展 好評開催中(3月28日まで) 2010年3月

画像(「加賀 前田家からの里帰り」展 好評開催中)
  2月20日から開催している「加賀前田家からの里帰り」展は、佐賀県内はもちろん福岡や長崎など県外からもお越しの皆さまで賑わっています。125年ぶりに里帰り中の朗子(さえこ)様のおひなさまをお目当ての方が多く、中には別のお連れ様と2回お越しの方もいらっしゃいます。土日は混雑しておりご迷惑をおかけしますが、平日は比較的ごゆっくりご覧頂ける時間帯があります。里帰り展は3月28日(日)までと、あとわずかですので、この好機をお見逃しのないよう、皆さまのお越しをお待ちしております。

徴古館2階フロアでのイベント 2010年2~3月

画像(徴古館2階フロアでのイベント)
  10周年を迎えた佐賀城下ひなまつり。125年ぶりとなる「加賀前田家からの里帰り」展の効果でしょうか、昨年に比べると毎日多くの人出で賑わっています。さらに今年は、これまで非公開だった徴古館2階フロアを改修し、各種イベントの場として活用しています。3月22日までの毎週土曜と日曜に、お煎茶やお抹茶の接待、折り紙体験、講演会など盛りだくさんに開催しており、特に折り紙体験は「参加型のひなまつり」としてお子様にもたいへん好評です。1階展示室でおひなさまを鑑賞されたあとは、ぜひ2階へ足をお運びいただき、おくつろぎください。

第10回佐賀城下ひなまつり開幕 2010年2月20日

画像( 第10回佐賀城下ひなまつり開幕)
  10回目の記念すべき佐賀城下ひなまつりが、佐賀市歴史民俗館(古賀銀行・古賀家、三省銀行、福田家など)と徴古館を主会場に開幕しました。開会式には佐賀市出身のタレント優木まおみさんも応援大使として、また当会会長鍋島直晶も駆けつけました。各会場はもとよりまちなかの賑わい創出にも力を入れ、家族で一日楽しめる趣向になっています。特に徴古館では加賀100万石の前田家にお輿入れの朗子さまの雛人形・雛道具が125年ぶりに里帰りし、140点ほども展示されています。この機会をお見逃しないように、皆様のお越しをお待ちしております。

初春の香りを楽しむ 2010年1月24日

画像(初春の香りを楽しむ)
  「初春 ―祝いと香り」展では初公開を含むさまざまな香道具を展示しています。これにちなみ、「初春の香りを楽しむ」と銘打ち、数種の香を聞き当てる組香(源氏香)という遊びを行いました。お手前を披露していただいたのは志野流香道九州松隠会の椛島禅徹先生とそのお弟子さんたち。源氏香に参加された10名の方々や、その様子を見学した参加者の大半が香道の初心者でしたが、椛島先生の分かりやすく楽しい解説を聞きながら、香炉を手に取り五つの香木を聞き比べました。お着物での参加者も多く、雅びな品々に囲まれて、初春らしい雰囲気を堪能されていました。

鍋島家伝来雛人形の修復 2010年1月22日

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  18日からの一週間、東京都在住の修復家・新井榛名氏による雛人形と御所人形の修復が行われました。これは今年度から始められた朝日新聞文化財団の「文化財保護に関する助成」事業によるものです。修復の対象となったのは、江戸時代後期の左大臣・右大臣人形、徳川家から嫁いだ10代藩主直正夫人の所用とされる葵御紋付御所人形、明治40年に11代直大夫人栄子が購入した花車曳き人形の四体です。頭髪の剥落止めや衣装の剥離止め、顔や手足のヒビの進行の防止など、今以上の劣化を防止し現状を維持する方針で行われました。
これら四体の人形は2011年の第11回佐賀城下ひなまつりでお披露目をおこなう予定です。

文化庁支援事業報告会(於:国立西洋美術館) 2009年12月8日

画像(文化庁支援事業報告会(於:国立西洋美術館))
  文化庁「平成21年度美術館・博物館活動基盤整備支援事業」の事業報告会が、東京上野の国立西洋美術館で開かれました。これは、今年度この支援事業に採択された全国の館による活動報告会で、当館は市民団体と連携して6月から取り組んできた「御城下絵図を読み解き、まちづくりに活かそう!」の活動内容を報告しました。絵図パネルなど読み解き作業の基礎となる素材の作製、市民団体との打ち合わせ、城下絵図の展覧会や城下探訪会の開催、そして事業を通じて感じられた地元の方々の城下町佐賀に対する関心の高さを報告しました。収蔵資料を活かして歴史啓発に努め、地元と連携した点が、地域博物館として一定の評価を受けました。

第4回歴史探訪会(日新校区) 2009年12月6日

画像(第4回歴史探訪会(日新校区))
  まだ暑い9月から実施してきました佐賀城下を巡る探訪会の最後となる日新校区の町歩きは、少し肌寒い日でしたが、前回に劣らず多数の方々に参加していただきました。長崎街道沿いの神社仏閣、史跡、町並み、本庄江を下るなど見所満載、多彩な探訪会になりました。神官や住職、所有者、肥前ビードロの作業場見学など、各所で説明や湯茶の接待を戴き、修復なった町屋に上がり込んでの見学など、地域の方の積極的なご協力のもとに無事終了できたことは、次に繋がることを確信できるものとなりました。皆様ありがとうございました。

第3回歴史探訪会(勧興校区) 2009年11月15日

画像(第3回歴史探訪会(勧興校区))
  御城下絵図などを手がかりにした佐賀城下町歩きの第3弾として、今回は勧興校区を歩きました。まずは現在の県警本部の東から徴古館の位置に広がっていたと言われる藩校・弘道館の跡地を、御城下絵図や現地の水路を手掛かりに確認。その後は3つの小路と3つの町を、現存する数棟の武家屋敷の門、龍造寺八幡宮など由緒ある神社仏閣、大宝聖堂跡などを中心に訪ね廻りました。ご案内は郷土史家・大坪芳男さんと各寺社の方々にお願いし、最後には県立図書館所蔵の伊能図 (複製)の上を歩くイベントにも参加し、見どころ満載の探訪会でした。

第3回ワークショップ 2009年11月14日

画像(第3回ワークショップ)
  近世佐賀の町人地の住民台帳である「竈帳(かまどちょう)」を読み解いて地図上に書き込んでいくワークショップも今回で最終回。第1回・第2回の成果を引き継ぎ、未完の部分の作業を進めて頂き、その結果、上今宿町、紺屋町、六座町の全部および白山町の一部が出来上がりました。これによって住人、家族構成、職業など、竈帳が作成された嘉永年間における各町の様子が分かりやすい形で見えるようになりました。

雛人形・御所人形の修復事業 2009年10月30日

画像(雛人形・御所人形の修復事業)
  鍋島家伝来の雛人形と御所人形の修復事業が、朝日新聞文化財団による「文化財保護に関する助成」の対象事業に採択されました。江戸時代後期の右大臣・左大臣人形や、徳川家から嫁いだ10代藩主直正夫人の所用とされる葵御紋付御所人形など、四体が修復の対象になります。
来年1月、東京都在住の修復家・新井榛名氏による修復を経て、2011年の第11回佐賀城下ひなまつりでお披露目をおこなう予定です。すこしお待たせしますが、どうぞお楽しみに。

ギャラリートーク&ワークショップ 2009年10月24日

画像(ギャラリートーク&ワークショップ)
  現在開催中の「御城下絵図に見る佐賀のまち」展に合わせ、郷土史家の福岡博氏によるギャラリートーク「佐賀城下図にみる町の変遷」を開催しました【左写真】。県立図書館在職中に古地図・絵図類の整理を担当された経験から、また国絵図や長崎街道の研究に長年携わってこられた先生ならではの詳しくも分かりやすいお話に、参加された方々は熱心に耳を傾けていました。その後、江戸時代の戸籍簿である竈帳(かまどちょう)の内容を読み解いて、地図上に書き込むワークショップを行いました。ワークショップは11月14日(土)にも開催します。皆さまのご参加をお待ちしております。【要電話予約0952-23-4200】

第2回歴史探訪会(循誘校区) 2009年10月18日

画像(第2回歴史探訪会(循誘校区))
  佐賀城下町歩きの第2弾として、今回は循誘校区探訪会を開催しました。前回にも増して大勢の方の参加がありました。多布施川の流れと武家地を中心とした赤松校区とは対照的に、循誘校区は紺屋町や材木町などの地名が今も残るように町人地。現存する町屋や神社仏閣を、郷土史家・中野和彦さんと地域の方々のご案内で巡りました。
江戸時代の御城下絵図などを手掛かりに巡る佐賀城下町歩きの今後の予定は、11月15日(勧興校区)、12月6日(日新校区)です。いずれも9時半~16時(予定)で徴古館発着【要電話予約 0952-23-4200】

ギャラリートーク&ワークショップ 2009年9月26日 

画像(ギャラリートーク&ワークショップ)
  現在、当館で開催中の「御城下絵図に見る佐賀のまち」展に合わせ、ギャラリートーク「御城下絵図を読み解く」(藤口悦子当館主任学芸員)を開催したところ、約60名の参加があり大盛況でした【左写真】。文化庁の支援を受け、徴古館が市民団体と連携して進めている事業の概要についてお話し、その後、江戸時代の戸籍簿である竈帳(かまどちょう)の内容を読み解いて、地図上に書き込むワークショップを行いました。
郷土の歴史に対して高い関心と熱意を持たれている地元の方々に大勢ご参加いただき、地元の方でしか知り得ないような情報やアドバイスもたくさん頂戴しました。市民の皆さんと共に佐賀の歴史を掘り起こしていこうという趣旨に沿って、本事業は今後も益々進展しそうです。
トークは「佐賀城下図にみる町の変遷」(福岡博氏)を10月24日(土)に、ワークショップは10月24日(土)、11月14日(土)にも開催しますので、ご参加をお待ちしております。【要電話予約0952-23-4200】

第1回歴史探訪会(赤松校区) 2009年9月13日

画像(第1回歴史探訪会(赤松校区))
  14日(月)から開幕する「御城下絵図に見る佐賀のまち」展の関連イベント第1弾として、御城下絵図などを手掛かりに城下町(今回は赤松校区)を歩く探訪会を開催したところ、約90の参加がありました。郷土史家・中野和彦さんのご案内で、絵図の水路や道路が現在も生きていることが確認できる箇所や、住宅地の中に今でもひっそりと残っている武家屋敷跡などを見て歩き、普段は何気なく暮らしている地域の歴史に目を向ける機会となりました。
今後の探訪会は次の通りです。10月18日(循誘校区)、11月15日(勧興校区)、12月6日(日新校区)。いずれも9時半~16時(予定)で徴古館発着、要電話予約(0952-23-4200)。

御城下絵図の展示作業 2009年8月18日 

画像(御城下絵図の展示作業)
  9月14日(月)開幕の「御城下絵図に見る佐賀のまち」展で初公開の御城下絵図の展示作業が始まりました。1枚で縦2m×横3mもある大きな絵図で、江戸時代佐賀の城下町がおさめられています。展示ケースの中で脚立に登り、3人4人がかりで慎重に作業を行いました。
この絵図は、慶安、承応、元文、文化など江戸時代の各時期にわたって残っており、これらをパネル展示も含め一堂に公開します。まちづくりの様子や城下町の変遷など情報満載、現代との比較も楽しい絵図です。
お楽しみに!

長崎・諫早見学会 2009年7月19日

画像(長崎・諫早見学会)
  徴古館が市民団体と共同で進めている文化庁支援事業「御城下絵図を読み解く(幕末さがまちづくり構想)」の一環で、長崎における幕末佐賀藩の動きを探る見学会を開催しました。
江戸時代、佐賀藩は福岡藩と一年交替で長崎警備を勤めていましたが、佐賀藩担当年の文化5年(1808)におきたフェートン号事件には特に大きな衝撃を受け、長崎警備の重要性を強く認識します。
今回の見学会では、遊覧船で長崎湾内を廻りながらフェートン号の停泊地と思われる場所や佐賀藩が築いた四郎島台場跡などを確認しました(左写真は船上から見る四郎島)。さらに橘湾に面した矢上陣屋跡や360°の円形台場が残る経ヶ岳台場跡などへも足を延ばし、佐賀藩の国防意識の高さを再認識できた有意義な一日でした。

御城下絵図の写真撮影 2009年7月7・8日

画像(御城下絵図の写真撮影)
  徴古館が市民団体と連携して進めている「御城下絵図を読み解く―幕末さが城下まちづくり構想―」(文化庁支援事業)の絵図解読作業に先立ち、20点ほどの絵図の写真撮影を2日間かけて一斉に行いました。正保、慶安、承応など江戸前期の各時期に作成された絵図は2m×3mもある大画面ですが、細部まで解読できるように部分図も撮影しました。
今後はここで得られたポジフィルムや画像データをもとにパネルを作成した上で解読作業を順次進め、江戸時代の佐賀のまちを解明していく計画です。

第14回プレイエル小音楽会 2009年6月28日

画像(第14回プレイエル小音楽会)
  プレイエルのピアノは、朝香宮家の紀久子女王が鍋島直泰様に降嫁された際の婚礼調度のひとつです。今回はピアノとヴァイオリンの二重奏で、ピアノ演奏を西村純子さん、ヴァイオリンとヴィオラの演奏を仲松慶さんのお二人にお願いしました。プレイエル作曲のヴァイオリン曲を、ピアノとの二重奏にアレンジした曲や、井上順子さんによる朗読を交えた貴志康一作曲の竹取物語が特に好評でした。
現在徴古館では「朝香宮家への贈りもの」展を開催中で、宮家にゆかりの品々に囲まれて皆さま至福のひと時を過ごされていました。

文化庁支援事業「御城下絵図を読み解く」第1回打合せ会 2009年6月25日

画像(文化庁支援事業「御城下絵図を読み解く」第1回打合せ会)
  文化庁が支援する「平成21年度美術館・博物館活動基盤整備支援事業」に、このたび徴古館が中心となって進める「御城下絵図を読み解く―幕末さが城下まちづくり構想―」が内定しました。徴古館が市民団体と連携し、当館(財団法人鍋島報效会)が所蔵する江戸時代の佐賀城下を描いた「御城下絵図」を読み解き、現代の地図と重ね合わせるなどの作業を行い、佐賀のまちづくりに活かそうという取り組みです。
この日、事業の進め方や日程について最初の打ち合わせ会を行い、本事業がスタートしました。今後は週に1回程度のワークショップを通じて絵図の解読作業を進めていく計画で、その成果の一部は9月14日からの当館企画展「御城下絵図に見る佐賀のまち」にも反映されます。

第8回研究助成研究報告会 2009年6月7日

画像(第8回研究助成研究報告会)
  郷土佐賀に関する研究を支援する当会研究助成の第8回報告会が県立図書館で行われ、会場は多数の熱心な聴衆の方々で埋まりました。昨年度に助成を受けた3名1団体による発表の後、各研究者に対し佐賀大学名誉教授の長野暹先生より講評、ご助言を頂きました。
今回の報告は柴山薫「佐野常民と看護教育―佐野常民の新しい人物像を求めて―」、福井尚寿「蒼海副島種臣の書研究―書風変遷を中心として―」、佐賀農業高等学校生産科学生物工学班「シチメンソウの増殖研究―有明海沿岸における生育地の環境調査研究―」、細川金也「有明海北岸出土の弥生時代青銅器の研究―弥生時代青銅鏡の分布と地域性―」の4件でした。なお、前回と今回の研究成果をまとめた研究報告書を今秋発刊予定です。

世界遺産専門家委員会の視察 2009年4月24日

画像(世界遺産専門家委員会の視察)
  今年1月、国の世界遺産候補の暫定リストに選ばれた「九州・山口の近代化産業遺産群」。その構成資産に、佐賀市から築地反射炉跡、多布施反射炉跡、精煉方跡、三重津海軍所跡の4ヵ所が追加候補として挙げられています。この日、世界遺産登録を目指す推進協議会が設けた専門家委員会の方々が視察のため徴古館に来館されました。当館ではこの日に合わせ4ヵ所の絵図のほか、精煉方で作られた蒸気車や蒸気船の雛形、国内最古級のカメラ、反射炉のレンガといった関連資料を展示しました。委員の方々は本物の資料を前に活発な質疑応答を重ねながら熱心にご覧になっていました。

第9回研究助成認証式 2009年4月3日

画像(第9回研究助成認証式)
  郷土佐賀の研究を奨励するための財団法人鍋島報效会研究助成の本年度分が決定し、全員が出席して認証式が執り行われました。本年度の研究内容は以下の通りです。
安永浩(33)「明治期以降小川島漁場での捕鯨業の展開」、大塚俊司(39)「戦国期肥前国における大名・国人の偏諱授与」、五島昌也(45)「くど造り民家の再検討」、県立武雄高等学校科学部「外来魚による溜池の魚類相の変化と産卵床を用いた外来魚駆除の試み」、浦田義和(59)「佐賀県の女性文学を探る~近現代~」

 

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