深川製磁製 明治時代
5組 高さ4.7cm 口径4.6cm
鮮やかな地の赤に、大ぶりの花弁を開く白梅とのコントラストが眼を惹きつける。縦横に伸ばした枝々には無数の蕾が膨らんでおり器面全体が生命感であふれている。本品は、11代鍋島直大公夫人の栄子さまの雛道具として伝来した。底面の「富士流水」のマークから佐賀の深川製磁で製作されたことが知られる。明治期の永田町鍋島邸での雛段を飾った栄子さまの雛道具は黒漆塗のものが基調をなすが、その中でひときわ鮮やかな色どりを添えたことだろう。
本品は「鍋島家の雛祭り」展(平成27年2月21日~3月31日)に出品しています。