かんそういんしょう
35顆 江戸時代後期(19世紀後半)
10代佐賀藩主・鍋島直正(1814~71/号 閑叟)が用いた書画用印。名乗りの「直正」、号の「閑叟」のほか、神野御茶屋にあった堂宇の名称と共通する「茶雨庵」などがある。刻者(印の作者)は、刻印を業とする印人として江戸の双璧と聞こえた橘蔵六と益田勤斎、京都の羽倉可亭らに加え、閑叟側近の佐賀藩士古川松根ら。印章のつまみの部分にあたる印鈕の細工も見どころで、龍、獅子、蝙蝠、霊芝など中国に由来する吉祥的な題材が彫刻されており、素材も田黄石・青田石、鉄・銀・銅・錫、象牙、水晶など多岐に渡っている。
「鍋島閑叟 字閑叟 号閑叟」印影
本品は、10代藩主鍋島直正公 生誕200年記念「鍋島閑叟の書」展(平成25年10月28日~12月21日)に出品します。