こどうそんなりとうてつもんかき
幕末~近代(19世紀)
去風流家元19世・松旭堂露山 所用
口径19.8㎝ 底径10.3㎝ 高さ32.1㎝ 銅製
江戸時代中期に京都より佐賀にもたらされ、佐賀城下を中心に継承された生花・去風流の最後の家元、19世・松旭堂露山(松本浅一/1871-1940)が愛用した花器。中国古代青銅器の酒器である尊(そん)を写したもので、口縁部を朝顔形につくり、界線で区切った脚部・胴部・肩部の全体を饕餮(とうてつ)文(怪獣面の文様)で埋める。
昭和12~14年にかけて、息子功が撮影・編集した父露山の作品集『華の栞』には、この花器に菊や紅葉を生けた作品が掲載されており、東京・上野公園で開催された華芸展覧会に出品されたことが記されている。佐賀市蓮池町(現在は柳町)を拠点に去風流の振興と普及に努めた露山の活躍が、佐賀に留まらなかったことを示す好資料である。
←「華の栞」
本品は、松旭堂露山関係資料の寄贈を記念した企画展「生花・去風流 -最後の家元・松旭堂露山」展(平成25年5月20日(月)~7月20日(土))に出品しています。