2013年11月 次伊達政宗征南詩韻

次伊達政宗征南詩韻

10代佐賀藩主 鍋島直正筆
嘉永~安政年間頃(直正 40歳前後)
1幅 絹本墨書 竪167.2cm 横72.5cm

10代佐賀藩主・鍋島直正(1814~71/号 閑叟)が、嘉永~安政年間頃に書した作品。一行目「奮」字の右払いなど全体的に鋭い筆跡が目につく。スピード感のある止め・ハネなど呵成に書き付けた感が強い。この詩は、仙台藩主伊達政宗が慶長遣欧使節に関して詠んだ詩を見て感じるところのあった直正が、「豪斯洲」すなわちオーストラリア進出を構想して嘉永4年(1851)に詠んだもの(直正漢詩集「野人亭稿」に収録)。本作品の書風は、直正の代表的な書として「先憂後楽」の呼び名で知られる安政3年(1856)の「范仲淹・岳陽楼記句」(佐賀県立博物館・美術館所蔵)に近い。このことから、嘉永4年以降さほど遠からぬ時期の作品と見られる。
 

 
時平壮士気将窮。奮起往図子世功。回首当年知已在。欲乗萬里海南風。航海無因奈志窮。慨慷常擬百蛮功。何当一変耶蘇教。都作細戈千足風。
右次瑞龍藤公征南詩韻。余幼時閲輿地図。指豪斯洲歓謂人曰。此地空闊可取而有也。今看公作心窃有威焉故及云。輹斎。

  

関防印「邁種徳」        落款印「斉正之章」・「貞丸」

 

展示案内

本品は、10代藩主鍋島直正公 生誕200年記念「鍋島閑叟の書」(平成25年10月28日~12月21日)に出品しています。