ちゃうるしぬりぎょうようもんつきえふのたちこしらえ
江戸時代初期 鍋島忠直 所用 全長95.5cm
初代藩主鍋島勝茂公の嫡男忠直公の所用と伝わる。鞘の両側面には茶漆塗の地に金蒔絵で鍋島家の家紋・杏葉紋が6か所ずつ配されている。杏葉紋は、革先や石突、切羽といった金具の部分にも刻まれているが、それらは鞘本体にほどこされた金蒔絵のものとは形状がやや異なる。金蒔絵の方は、中央付近に花の蕊のような部分をもつ「花杏葉」に近いが、輪郭に沿って内側に一筋の線が入っている点が特徴的。一方、金具には、後世に藩主が用いる紋として定着する「筋杏葉紋」に似た縦方向の筋が刻まれているが、中央付近には「花杏葉」のような蕊もあらわされている。
慶長18年(1613)に勝茂公と正室・高源院との間の初の男子として生まれた忠直公は、5歳で将軍秀忠に初御目見えをする。元和8年(1622)の参勤で江戸詰めとなり、従五位下肥前守となった同日、松平称号と「忠」の一字を拝領し、忠直と名乗るようになった。期待されながらも、23歳の時に疱瘡で亡くなった。
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本品は「佐賀藩 初代藩主の子供たち」展(平成29年9月4日~11月4日)に出品しました。
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