しきしがさねよしのたつたもようまきえこうばこ
明治30年(1897) 明治天皇より鍋島紀久子 拝領 高さ5.8cm 縦10.5cm 横10.7cm
二枚の色紙を重ねた形状の香箱。上側には桜咲く吉野山の景、下側には紅葉の竜田川の景が表されている。吉野の桜は遠近によって大小がつけられ、山や岩は立体的に盛り上げられ、ゴツゴツとした岩間を急流が下るなど、縦横とも約10cm程度と小ぶりな面の中に吉野山の奥深さを巧みに表している。山の端や霞などには大小の切金を細やかに散らすなど豊かな装飾性にも見ごたえがある。側面には山並みや霞を四面にぐるりと連続させ、吉野山と立田川を二面ずつ配している。
明治30年(1897)の新古美術展覧会(京都美術協会主催)に出品され、大正元年12月29日に明治天皇の御遺物として朝香宮家が拝領。朝香宮紀久子女王が昭和6年に13代鍋島直泰様に嫁したことから鍋島家に伝来した。
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本品は「鍋島家の雛祭り」展(平成29年2月11日~3月31日)に出品しました。
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