じょうかおおくるわないやしきちょう
元文5年(1740)
紙本墨書・冊子装
(五冊本) 竪30.8cm 横21.6cm
(三冊本) 竪26.0cm 横18.3cm
佐賀城下は武家地と町人地の二区から成り立っていた。そのうち、約1,000軒の武家地に住まう藩士名、役所名や寺社名すべてを、「〇〇小路」や「〇〇厨子」と呼ばれた100近い小地区ごとに記載した帳簿が屋敷帳である。さらには各屋敷地の四辺の長さ、隣接する道路や水路の幅まで詳細に記しており、武家地の土地台帳と言える。
屋敷帳は6代鍋島宗教による元文5年(1740)の本資料(元文屋敷帳)と、8代鍋島治茂による明和8年(1771)の「屋敷御帳扣」(明和屋敷帳)の二種が現存している。そのうち屋敷帳と城下絵図が揃って現存するのは元文期だけであり、屋敷帳の記載内容と絵図の表現は厳密に対応している。つまり絵図によって視覚的に、屋敷帳によって長さや幅など数値的に城下を理解することができ、佐賀城下の歴史を読み解く上では欠くことのできない逸品である。
本資料を活字化した『城下大曲輪内屋敷帳』を¥2,500にて頒布しております。また、屋敷帳と同時に作製された『元文佐賀城廻之絵図』の大判複製を平成23年11月に発行しました。詳細は、こちらで紹介しています(絵図単品¥2,500/絵図と屋敷帳セット¥4,000)。