「名君」と言われる10代佐賀藩主鍋島直正公は、長女貢姫(みつひめ)と13年間にわたり手紙を交わし続けるなど家族想いの殿様でした。愛娘に送った手紙196通をまとめた資料集『愛娘への手紙』の出版記念展として開催する本展では、その中から19通をすべて現代語訳つきで親しみやすく紹介しました。このほか、佐賀城大奥を束ねた瀧村(直正公の側室・11代直大公の生母)の小袖を初公開したほか、重箱(貢姫の婚礼調度)、葵紋付き銀製銚子(直正公正室の婚礼調度)なども公開。大切な人を想うこと、想いを言葉にすることの大切さに気づくことができる展覧会となりました。
貢姫宛て鍋島直正書簡(うち19通) 父から受取り、貢姫が大切に保存していた191通の手紙。直正公が自らの言葉を自筆で書いた手紙の内容はもちろん、料紙には草花や風景などが刷り表された絵巻紙が多く用いられており、そこには「愛娘への手紙」らしい直正公の高い美意識が感じられます。 (本展では、191通の中から19通をご紹介しました。) |