佐賀藩主鍋島家は維新を機に大名から華族、そして侯爵となり、住まいも佐賀から東京へと移りました。明治25年には専門家の設計による最古の洋風大邸宅といわれる鍋島邸西洋館が永田町に竣工し、明治天皇・皇后の行幸啓を仰ぎました。
11代鍋島直大公は イギリス留学・イタリア公使から帰国後、海外経験を活かして栄子夫人とともに明治社交界を華やかに牽引しました。その一方、宮内省式部長官として、また侯爵として皇室の藩屏と自認し、雅楽や和歌など伝統文化を重んじたその姿は、和魂洋才という明治国家建設の気風と通じます。
明治から150年近く営まれた東京・青山霊園内の鍋島家御墓所が東京都に返還され、11代鍋島直大公、胤子夫人・栄子夫人、12代鍋島直映・禎子夫妻らが佐賀・春日山御墓所へご改葬されることを機に、本展では侯爵鍋島家発展の基礎を築いた直大公を中心にその歩みを振り返りました。
図録『侯爵鍋島家と東京』のご案内 |
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佐賀藩主鍋島家は明治維新を機に大名から華族、そして侯爵となり、住まいも佐賀から東京へと移った。侯爵鍋島家発展の基礎を築いた直大公を中心にその歩みを紹介。 500円 平成28年6月発行/A4版 60ページ
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※所蔵者はすべて公益財団法人鍋島報效会
7 鍋島弸斎翁小傳 1冊 鍋島直大筆 明治時代後期~大正時代 鍋113-36
15 菊御紋玻璃コップ 1対 鍋島直大所用 明治25年(1892)
菊御紋入磁器盃 1対 鍋島直大所用 明治25年(1892)
菊御紋入銀盃 1組 鍋島直大所用 明治25年(1892)
17 梨子地笹蒔絵文台 1基 鍋島直大所用明治25年(1892)
梨子地笹蒔絵硯箱1具 鍋島直大所用明治25年(1892)
梨子地菊流水蒔絵料紙箱 1合 鍋島直大所用明治25年(1892)
24 鍋島直大宛て九条道孝書状 1通 鍋島直大宛て 明治18年(1885)10月16日
25 鍋島直大宛て徳大寺実則書状 1通 鍋島直大宛て 明治31年(1898)
28 雅楽器伝来書付 1紙 鍋島栄子筆 昭和6年(1931)
32 楽譜帖 1冊 鍋島直大筆 明治時代中期~大正時代
33 雅楽譜 1紙 鍋島直大筆 明治33年(1900)
39 襲爵書付 1通 鍋島直映宛て 大正10年(1921)7月11日
42 鍋島禎子像 1面 高木背水筆 明治33年(1900)以降
43 鍋島直映大日本農会 名誉会員辞令 1通 鍋島直映宛て 大正15年(1926)4月13日
44 鍋島家農園学術報告 日本林檎及油桃之分類学的研究 1冊 侯爵鍋島家発行 昭和2年(1927)1月28日発行
47 国歌(君が代)書 1幅 鍋島直大ら御一家・親族14名による合筆 大正7年(1918)10月17日