佛朗西船渡来ニ付御備向見取絵図
フランスせんとらいにつきおそなえむきみとりえず
長崎警備を担当していた佐賀藩が、弘化3年(1846)長崎にフランス船が来港した際の警備の様子を長崎奉行所に提出した絵図の写し。国旗を掲げたフランス船三艘が小ヶ倉沖に停泊。長崎市中方面(内目/画面右側)への進入を防ぐため、神崎・女神間の海峡に佐賀藩の船が並べられている。西泊・戸町の両御番所や各台場などに杏葉紋を染めた佐賀藩の陣幕や、諫早家・武雄鍋島家・深堀鍋島家など各重臣家の昇り旗が詳細に描きこまれている。この時、フランス船が石火矢(大砲)に玉薬を装填するなど、湾内は一時緊張に包まれた。本図にもかがり火が散見され、夜を徹した警備が続けられた様子がうかがえる。