さんにんかんじょ
明治時代末期~大正時代初頭 鍋島紀久子 所用 大木平蔵 作 高さ 16.8~26.4cm
13代鍋島直泰夫人 紀久子様(朝香宮鳩彦王の第一王女)所用の雛人形のうち、宮仕えの女官たちを表す三人官女の御人形。向って左端の官女が持つのは盃に酒を注ぐ長柄銚子、右端は長柄銚子に酒を注ぐための加銚子、中央は松竹梅の飾り物を乗せる島台となっている。
それぞれの御道具を持つ繊細な指先、そこに落とす目線など自然な所作が表されているのに加え、鼻筋の通った端正な顔立ちは上品な印象を与える。
箱のラベルには「御雛人形細工司 丸屋 大木平蔵」とあり、京都の老舗人形店 丸平大木人形店の作とわかる。同店は安永年間の創業で、近代以降は皇室関係の御用を受けている。紀久子様所用の雛人形は大部分が同店の作。
本品は「鍋島家の雛祭り」展(平成30年2月11日~3月31日)に出品しました。