かそうぶとうふく
明治時代中期(19世紀) 11代鍋島直大夫人 栄子所用
(上衣)胸囲84.0cm 胴囲72.0cm 袖丈37.0cm (スカート)胴囲75.0cm 前丈95.5cm 後丈160.0cm
明治20年(1887)4月20日、伊藤博文首相官邸で催された大仮装舞踏会(fancy ball)にて11代鍋島直大夫人 栄子が着用した衣装。
膨らんだスカート上部や上衣の身頃、袖カフス部分には鮮やかなマゼンタ色のサテン地が用いられている。スカートや胸元には薔薇の刺繍のアップリケ、肩には身頃と共布のリボン、さらに小さなビーズやレースで可憐な装飾が施されている。これを身に付けた際の写真と「写真油絵」が遺されており、裏面の書付から「仏国(フランス)の昔の人の姿」を模した装いと分かる。
同じ仮装舞踏会にて直大が着用した衣装も伝来しており、互いに映える対照的な色合いとなっている。公使としてイタリアに在勤していた直大と公使夫人の栄子は、海外経験を活かし鹿鳴館時代の社交界の中心人物として活躍した。
画像
写真油絵 裏面「伊藤侯爵家にて 舞踏フワンシボールの時 仏国ノ昔の人の姿」
本品は「幕末明治の鍋島家 ―大名から侯爵へ」展 第4期(平成30年11月6日~平成31年1月14日)にて公開します。
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