いろえおもともんざら
江戸時代後期(1820~1860年代) 鍋島藩窯
口径20.5cm 底径10.7cm 高さ6.0cm
使用されているのは染付と赤の2色のみでありながら、それぞれ濃淡をつけることで、万年青の葉脈の流れに沿った3段階の色合いや、赤い実の立体感を出している。
幕府への献上用として鍋島焼の生産が最も盛んだった頃(1690~1720年代)は、染付の藍に加え赤や黄、緑などの色絵具をふんだんに用いた華やかな「色鍋島」が多く作られていた。
しかし、8代将軍徳川吉宗が出した華美を禁じる倹約令に伴い、色数を多く使った鍋島焼の生産も制限された。その後は主に染付、次いで青磁のものが中心となり、この皿のように染付に赤一色を使ったシンプルな色鍋島も少数作られた。
本品は「鍋島家伝来磁器展」(平成28年8月22日~11月12日)に出品しました。