老松雲竜図鐔
おいまつうんりゅうずつば
鐔は刀装具の一部で、刀剣の柄と刀身との境目にはさみ、柄を握る手を防護するもの。江戸時代の鐔は装飾性に富み、金工の冴えを見せるものが多い。その形状により角鐔、丸鐔、唐鐔、葵鐔などがある。本品は丸形の鐔で、表には老松を肉彫、松葉を金象嵌であらわし、金象嵌銘「行年六十八子 若道人(金印)」、小柄横穴に「若芝」(金文方印)を入れる。裏には雲竜を金平象嵌であらわす。作者の河村若芝は江戸前期、佐賀出身の画家であり、装剣金工家。長崎漢画の一派若芝流をひらき、若芝鐔工派の開祖でもある。