大礼服
たいれいふく
明治13年(1880)3月8日付で特命全権公使イタリア在勤を命じられた11代鍋島直大が持参した大礼服。帽子・上着・ベスト・ズボン・肩章・剣釣からなる燕尾服で、黒羅紗地に五七の桐紋と蔓模様が金刺繍であらわされる。大礼服は明治5年に制定されて以来度々改定され、同17年10月には飾章まで細かく制定された。文官の大礼服は19年に確定するが、この大礼服はそれ以前の原型といえ、大変貴重なものである。この大礼服を着用した「鍋島直大像」(百武兼行筆)はローマで描かれ、帰国の年の明治15年2月11日に完成した。