紺紙金字妙法蓮華経
こんしきんじみょうほうれんげきょう
表紙には金銀泥で宝相華唐草文を、見返しには金泥で変相図(釈迦説法図)を描く。巻第七の奥書から沙門淵鑑の発願により施主劉成吉・朱暉・朴中漸と幹事戒禅・師惲・克倫の助力により、柏巖と聡古が書写したことが分かる。各巻巻末に別筆で正平12年(1357)、少弐頼尚の太宰府天満宮への寄進銘が記され、完成から17年後の南北朝時代に日本に請来されたことが分かる。さらに巻第七の施入銘により、寄進の後、尼僧妙安(みょうあん)により龍造寺家の菩提寺である佐賀の龍泰寺に収められたことが分かる。保存状態がよく全七巻が完存し、金の発色も素晴らしいなど高麗経の中でも随一のものである。