収蔵品紹介

黒漆塗鉄線蒔絵提重 

くろぬりてっせんまきえさげじゅう

長方形の枠内に、重箱や盆、徳利や銘々皿をコンパクトに収納する提重。いわば江戸時代のピクニックセットで、花見や紅葉狩りといった物見遊山の際に用いられるものである。江戸時代の風俗画には、屋外で宴会を楽しむ富裕な人々の傍らに、華やかな蒔絵の提重が描かれることも多い。この提重は初夏に花をつける鉄線(キンポウゲ科の多年草クレマチス)を伸びやかに描いている。つややかな黒漆の地に金蒔絵が映え、花や葉の輪郭部に控えめに添えられた銀粉がアクセントになっている。細い首にたっぷりとした胴をもつ徳利、下段に丸みをもたせた重箱、入隅形の脚付き盆など、全体に丸みを帯びた、柔らかで品のある提重である。

江戸時代後期


竪23.3cm 横35.5cm 高36cm

掲載図録

●「大名から侯爵へ ―鍋島家の華」(平成19年)


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