収蔵品紹介

鉄自在龍置物

てつじざいりゅうおきもの

細かい鉄のパーツを組み合わせて動物を写実的に形づくり、しかもその胴体や手足などが自由自在に動くよう、身体的機能を細部にいたるまで再現したものが自在置物である。本品は、東京国立博物館所蔵の全長1mを超える自在龍などと比べれば小ぶりで、顔つきにも愛嬌が溢れているが、46個のパーツからなる胴体は端正で、髭や舌、足や爪先に至るまで自在に動かせるつくりになっている。胴部は背鰭付魚鱗刻入胴環を重ね連ね、眼玉は金箔押。顎に「明珍」の銘があることから、本来は甲冑師であった明珍一派による製作とわかる。江戸も中期以降、泰平の世になるにつれ甲冑の需要が少なくなり、鉄を扱う技術を応用してこうした自在置物が制作されたと考えられる。

江戸時代(18世紀)
明珍

全長35.7cm

掲載図録

●「御城下絵図に見る佐賀のまち」(H21年)


掲載図録はこちら(●「御城下絵図に見る佐賀のまち」(H21年))

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