永田町馬場
ながたちょうばば
東京永田町の鍋島邸は明治25年(1892)に落成し、12代鍋島直映によって乗馬稽古のため敷地内に馬場も造営された。11代直大夫人栄子所用の夫人乗馬服が現存しているが、このような場所で実際に乗馬を楽しんだのであろう。この馬場を描いた高木背水(1877~1943)は佐賀出身の洋画家で、明治30年(1897)からは鍋島侯爵家の玄関番書生として仕えながら白馬会洋画研究所に通った。11代鍋島直大の姉である松平慈貞院の世話により明治37年には渡米し、大正2年(1913)には東京永田町鍋島邸の一隅に画室を設け背水画塾を開いた。