五衣・唐衣・裳
いつつぎぬ・からぎぬ・も
紫地亀甲鶴丸模様唐衣、白地若松立涌模様五衣、白地四ッ菱格子桐竹鳳凰文様裳からなる。唐衣裳は、別名「十二単」とも称される、宮中における女性の正装。十二単は表着の下に十二枚もの袿を襲ねたことからそう呼ばれたが、平安時代後期より五枚となり、近世以降は五衣と呼ばれた。正式な構成は、写真にある五衣・唐衣・裳の他に小袖や袴など五種類の衣裳を着ける。これに檜扇を持ち、懐には帖紙を入れ、頭に髪上具をつけ、朝廷での即位式や大嘗祭などの儀式に臨んだ。当時の写真から、昭和3年(1928)の即位の礼の時に、朝香宮允子妃が着用した装束かと考えられる。允子妃の第一王女紀久子は昭和6年、13代鍋島直泰に降下している。
昭和初期
朝香宮允子ヵ 伝来
(唐衣)丈51.3cm 裄66.4cm (五衣)丈195.3cm 裄73.0cm (裳)腰幅49.0cm 丈170.9cm
●「大名から侯爵へ ―鍋島家の華」(平成19年)