見本切標本
みほんぎれひょうほん
関東大震災後に整理された「御道具台帳」によると、巻物第44号で「見本切標本 二折」との記載がある。本来三折組であったが1を欠き、2は表面に第117~178号、裏面に第179~231号の115種、3は表面に第232~310号、裏面に第311~380号の149種、合計264種の金襴・緞子・間道・錦・風通・金紗・更紗などの裂地を貼り交ぜる。裂地は書画の表装や茶器の仕覆、道具類の袋裂、服紗などに使用されるが、その見本帳に当る。世の名物を分類した松平不昧(松江藩主松平治郷)の『古今名物類聚』(寛政元年/1789)は有名である。