コローの池
ころーのいけ
洋画家として初めて文化勲章を受章した「色彩の画家」岡田三郎助晩年の小品。明治2年(1869)、佐賀城下八幡小路に誕生した岡田は佐賀藩士を父とし、幼少の頃から上京し鍋島邸の長屋に住む。鍋島邸に飾られた百武兼行の油絵を見て、洋画家を志したという。明治27年(1894)、久米桂一郎の紹介で黒田清輝を知り、久米・岡田から西洋画を学ぶ。本作は裏面に「佛國/巴里ニテ/コロオーノ池/昭和七年一月」(朱墨)とある。昭和5年欧州視察の途次、パリ近郊のヴィル・ダブレーのコローの池を訪れ写生しており、これを完成させた。昭和15年2月14日-20日、東京府美術館で開催の岡田三郎助遺作展覧会へ出品(ラベルあり)。