手鑑「蛇鳥叢林」
てかがみ 「だちょうそうりん」
天皇、公卿、歌道家、高僧、武家など、飛鳥時代から江戸時代元禄期までの135人による古筆切・計140枚が貼り合わせられた装丁の美しい手鑑で、表紙題箋には「蛇鳥叢林」とある。近世はじめより、鑑賞と鑑定のために盛んにつくられた、いわゆる古筆手鑑の一種である。外題筆者である清水谷大納言実業は宝永6年(1709)没であるため、成立は2代光茂・3代綱茂の治世である元禄期頃かと推測される。とりあげられた人々の中で元禄期以降の人はおらず、一番新しいのは油小路隆貞(元禄12年没)。添付の筆者目録・略伝は嘉永3年(1850)より作成し、安政4年(1857)に完成している。昭和2年(1927)に東京で編纂された御道具台帳には本作品について「御邸不出門之品」とある。