鍋島直正肖像写真
なべしまなおまさしょうぞうしゃしん
10代藩主鍋島直正を撮影した肖像写真。アメリカ製のケースに「御年四十六/安政六年己未年十一月於江戸/溜池邸/藩醫川崎道民拝寫」との貼紙墨書があり、佐賀藩医である川崎道民が江戸溜池の中屋敷で安政6年(1859)に撮影したものであることが分かる。アンブロタイプ(ガラス湿板を使ったポジ反転写真)という技法で、同時期に撮影された裃姿3枚と羽織姿2枚がほかに現存する。各々微妙に角度が異なり表情も生々しく身近に迫り来るものがある。日本人の撮影になる写真では安政4年の島津斉彬の銀板写真に次ぐ古さである。