鍋島建子(筆姫)像
なべしまたけこ(ふでひめ)ぞう
10代鍋島直正継室筆姫(1830-1886)は田安家徳川斉匡の女、嘉永2年(1849)12月結婚。文久3年(1863)佐賀へ向けて江戸を発ち、4月16日佐賀城三の丸へ入り、明治4年1月18日(新暦3月8日)直正が東京で薨去。葬儀のために上京して以来、東京の永田町邸に住まう。この筆姫像は写真油絵といわれるもので、明治18年(1885)小豆澤亮一が専売特許を得ており、明治19年に死去した筆姫の姿を長く留めるために、明治4~5年頃、内田九一の写真館で撮影された鶏卵紙の名刺判写真を基に作成された。鍋島家には外に直大・栄子夫妻の鹿鳴館時代の仮装舞踏服姿の写真油絵もあり、制作年は20年代半ばか。