げぼりつとしじみおきもの
明治時代~大正時代
大正12年、有栖川宮董子妃(熾仁親王妃)御遺物として鍋島栄子拝領
全長18.5cm 高さ7.0cm 奥行き6.5cm
象牙に彫刻と着彩を施し、ぎっしりと詰められた蜆や藁の質感などが写実的に表された作品。蜆にはそれぞれ年輪状の成長線が刻まれているほか、束ねられた藁の端は長さが1本ずつ異なり自然な印象に仕上げられているなど、本物と見紛うばかりに精巧に作られている。
象牙製品は、江戸時代までは根付などの小型のものが主流であった。次第に大きな彫刻作品が作られるようになり、国内外の博覧会への出品や海外への輸出も行われて明治時代前期に全盛を誇り、昭和時代の初めまで制作された。
皇室や宮内省の御用品として買い上げられた例も多く、鍋島家には御下賜品や御遺物などとして26点が伝来した。そのうち本品 は、大正12年に有栖川宮熾仁親王妃董子(ただこ)の御遺物として、11代鍋島直大夫人栄子(ながこ)が拝領したもの。
(裏側)
本品は「鍋島家の雛祭り」展(2020年2月11日~3月15日)にて公開いたしました。