ほうしょうろく
宝暦年間~明治3年(1870)
33冊 鍋島家文庫資料(鍋255-1~30)
佐賀藩が藩士や藩民を褒賞した記録。いつ、誰がどのような理由で何を褒賞されたのかについて詳細に記録されている。6代藩主鍋島宗教(1718~80)時代の宝暦年間(1755~63)から明治3年(1870)にわたる時期の33冊の史料群が現存する。
多年の勤功のほか、藩船建造・修理への献金を行った者、長寿者、武術・学問に秀でた者や貧困者救済・災害救援に携わった者など、対象者は多岐にわたり、役職や身分の昇進、禄高の加増、金穀拝領などの褒賞を受けている。
10代藩主鍋島直正(1814~71)の時代には長崎警備に関する褒賞も多く見られる。例えば、大銃製造方の手伝役であった杉谷雍助は、鉄製大砲を鋳造するための反射炉や穿孔のための錐台の建造など新たな事業に従事し多大な成果を上げたことにより、五人扶持の俸禄を拝領したほか、手明鑓から侍の身分へと昇格し、大銃製造方附役となった。
当時の人々の勲功だけでなく、それに対して藩がいかに目を向け、評価し褒賞を行っていたのかが分かる。