まつだいらじていいんしょうぞうが
明治時代 高木背水 筆 (総)縦76.1cm 横61.7cm (本地)縦55.7cm 横41.3cm 紙本木炭 額装
佐賀出身の洋画家・高木背水が描いた、10代佐賀藩主鍋島直正の長女 貢姫(慈貞院)の肖像画。明治3年(1870)撮影の肖像写真をもとに制作された。
天保10年(1839)に佐賀城で誕生した貢姫は、安政2年(1855)に川越藩主松平直侯と結婚するも、6年後に直侯は病没。その後、貢姫は髪を下ろし慈貞院と称し、明治時代以降は鍋島家の庇護のもと東京・永田町の鍋島邸の隣地に住んだ。
直正の庶兄・茂真の孫である高木は、慈貞院にとって従兄弟の子にあたる。明治30年(1897)からは鍋島邸の玄関番書生として仕えながら白馬会洋画研究所に通っていた。明治37年の渡米の際には、旅費を工面するにあたり慈貞院からの紹介で肖像画を描くなど、度々支援を受けていた。また、大正2年には鍋島邸の一隅に画室を設け背水画塾を開くなど、慈貞院や鍋島家との関わりは深かった。
本品は「鍋島直正公の長女 貢姫」展(平成29年11月27日~平成30年1月20日)に出品しました。