収蔵品紹介

含珠焼 杏葉紋透し花瓶

がんじゅやき ぎょうようもんすかしかびん

長寿のシンボルである鶴と亀を陰陽であらわしており、鶴の両翼と亀の甲羅には、鍋島家の家紋である杏葉紋が巧みに図案化され、組み込まれている。染付の亀とは対照的に、羽を広げた鶴と口縁部の瓔珞模様は、光を通すと美しい輝きを放つ。これは素地を透彫にした後、その部分に透明の釉を充填して焼成する「蛍手」と呼ばれる技法である。底部には「棣華堂/伍平製」との染付銘がある。棣華堂とは、武雄市西川登町小田志の樋口治実のこと。樋口は明治20年(1887)に含珠焼の専売特許を得ており、作品は「明の蛍手よりも精巧なり」と称されたという(「肥前陶磁史考」)。伝来の作品は少ない。

明治25年(1892)


高さ22.9cm/22.2cm 口径15.6cm/15.3cm

掲載図録

●図録「鍋島家伝来陶磁器名品展」(平成25年)


掲載図録はこちら(●図録「鍋島家伝来陶磁器名品展」(平成25年))

  • 収蔵品トップへ
  • 収蔵品一覧へ
  • 前の収蔵品へ
  • 次の収蔵品へ

ページ上部へ戻る