収蔵品紹介

承応佐賀城廻之絵図

じょうおうさがじょうまわりのえず

本図が製作された承応3年(1654)は、慶安2年(1649)の製作からわずか5年後にあたり、製作スパンが極めて短い。従って慶安期の絵図と比較したとき、同じ屋敷地に居住し続けている藩士も少なくない。しかし、いわゆる片田江七小路では、小路境の水路や屋敷地の間に細い水路が多数新設されている点など、わずか5年間で行われた城下づくりの様子を具体的にうかがうことができる。また町人地についても、本図は各町の長さや竈数(世帯数)、隣接する町との境界線などを詳しく記す唯一の絵図であり、この5年間で町人地が再編成されたことも分かる。慶長期に城下建設が始まって約半世紀を経た時期に、なお地割の変更、町名の変更などといった城下づくりが進行しているのである。

承応3年(1654)


竪220cm 横310cm

掲載図録

●図録「御城下絵図に見る佐賀のまち」(平成21年) ●図録「御城下絵図を読み解く」(平成22年)


掲載図録はこちら(●図録「御城下絵図に見る佐賀のまち」(平成21年) ●図録「御城下絵図を読み解く」(平成22年))

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