色絵山水竹鳥文輪花大皿
いろえさんすいたけとりもんりんかおおざら
有田の初期色絵の手本となった中国磁器(色絵祥瑞)と、それを忠実に写した初期色絵が対で伝来した唯一の例。中央と上下左右の窓絵には山水や花鳥が描かれ、周辺には巻貝や子安貝、珊瑚や七宝文、犀角文といった吉祥文様をあらわし、外側面には松竹梅と竹鳥を組み合わせた文様を描く。有田の色絵創始期に、中国磁器を手本に技術開発していく姿を示す好資料といえる。安政2年(1855)作成の「御寄附物帳」に、「青絵御鉢 内壱ツ裏銘大明嘉靖年製 二」とあるのが本作で、2枚1対で伝来した。初代鍋島勝茂から菩提寺である高伝寺に寄附され、大正14年に鍋島家に返納された。
江戸時代前期(1620-40年代/1640-50年代)
中国・景徳鎮窯/肥前・有田窯
初代鍋島勝茂 伝来
高さ5.1cm 口径34.1cm 底径22.5cm/ 高さ7cm 口径34.5cm 底径22.5cm
●図録「鍋島直茂・勝茂の時代」(平成23年) ●図録「佐賀藩 長崎警備のはじまり」(平成24年) ●図録「鍋島家伝来陶磁器名品展」(平成25年)