公益財団法人鍋島報效会 徴古館


2011年5月 慶長御積絵図

2011年

慶長御積絵図

 

画像

慶長御積絵図

けいちょうおつもりえず

江戸後期書写(原図は慶長年間)
竪149cm 横252cm

 佐賀城および城下の慶長年間の様子を表した絵図。但し本図には都市計画図的性格が含まれており、名称の「御積(おつもり)」とは「(絵図のように佐賀城・城下を建設する)つもり」の意味と思われる。城内部分を見ると本丸・二之丸は堅固な石垣で囲われ、さらに石垣は三之丸から西之丸の一部にも築き廻されており、城内の隅部には五棟の多層櫓が配されている。しかしこれ以後の時期のいずれの絵図を見ても石垣は本丸の一部だけで、多層櫓も西之丸三階櫓のわずか一棟しか見当たらない。というのも、たび重なる公儀普請による財政悪化と元和元年(1615)に幕府から出された武家諸法度での居城新規造営の禁止を受け、本図に描かれた石垣や櫓の多くは実際には構築されなかったのである。
本格的な近世都市佐賀城下と佐賀城の建設は、鍋島直茂・勝茂父子によって慶長13年(1608)に始められた。石垣や多層櫓の建築など計画倒れに終わった部分はあるものの、黒田長政の福岡藩勢が北濠を掘り上げるなど他藩の加勢も得ながら総普請は進み、3年後の1611年には勝茂が佐賀城本丸に入城している。今年はそれから400年の節目にあたる。
 

2011年が1611年(慶長16年)の佐賀城築城から400年の節目であることを記念し、徴古館では、第53回展「鍋島直茂・勝茂の時代」展(平成23年5月30日[月]~7月30日[土])第54回展「歴代藩主と佐賀城」展(平成23年9月26日[月]~12月3日[土])を開催しました。

 

 

 

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