公益財団法人鍋島報效会 徴古館


2016年6月 女房三十六人歌合

2016年

女房三十六人歌合

にょうぼうさんじゅうろくにんうたあわせ
1帖 (画)住吉広純(具慶) 筆  (書)鷹司房輔ら 筆
(帖)縦38.4cm 横8.2cm  (各葉)縦32.0cm 横4.9cm
江戸時代前期(寛文年間)  11代鍋島直大夫人栄子 伝来
 
小野小町以下、平安・鎌倉期の女性36人の和歌を書して歌合とした短冊帖。各葉に極めて細密に描かれた女房の姿も見どころ。付属する筆者目録により、画は江戸時代前期の絵師住吉広純、書は鷹司摂政・九条右大臣をはじめとする36名の手になることが分かる。
侯爵鍋島家に伝来した契機について、付属の「侯爵御奥様(鍋島栄子)」宛て加藤義清書簡には、「画帖を見あたり候につき御歌所に持参候処、同僚の人々いづれもよだれを流し(女房のためにはあらず)」たほどで、「千葉とよぶ今業平には、永田町の御殿にふさはしき品なれば是非とも」として、永田町鍋島邸にもたらされた経緯が記されている。宮内省御歌所関係者の眼から見ても垂涎の品となったが、鍋島家への伝来の蔭には佐賀出身で鍋島家と縁故のあった千葉胤明(ちば・たねあき)による推薦があったという。
明治歌人界の中心人物である中島歌子(1845~1903)は明治15年(1882)頃から鍋島邸に出稽古し、栄子夫人はじめ朗子・伊都子・茂子・信子ら御一家に指南するなど、侯爵鍋島家では直大・栄子夫妻をはじめ御一家全体で和歌の嗜みが深かった。

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展示案内

本品は「侯爵鍋島家と東京」展(平成28年5月23日~7月23日)に出品しています。

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