侯爵・黒田長知の女(むすめ)として明治15年(1882)11月8日生。明治33年11月28日に12代鍋島直映と結婚。 昭和8年11月21日卒(52歳)。 銀製雛道具一揃(173点)は、幅1cmほどの硯箱にミリ単位の筆や硯が納められているなど、細部にわたり非常に精巧に作られている。一つひとつに異なる装飾文様が線刻されており、御道具の種類は最も多様を極める。これに似た銀製雛道具は近衛家伝来品(陽明文庫 所蔵)や久留米藩主・有馬家伝来品、三井家伝来品(三井記念美術館 所蔵)、虎屋伝来品が知られている。また、牙首人形にはそれぞれに着付けがなされている。 |
画像(12代鍋島直大夫人 禎子) |
時代 幕末
法量 衣桁 高3.8
化粧道具(衣桁・手拭掛・櫛台・鼻紙台・盥・耳盥・鏡・鏡建他)。衣桁・手拭掛は金具部を線刻で表す。櫛台は梅に鶴、鼻紙台は梅樹と梅枝、盥は唐草、扇形箱は松鶴と雲の浮彫、円形箱は梅枝、耳盥・鏡は牡丹唐草を線刻。鼻紙台・盥の底面には赤フェルトの跡あり。
時代 幕末
法量 冠台 高3.7
棚類(三棚・冠台・手箱他)。書棚には上面に硯・筆・短冊・葉を、前背側面には菊や蝶を線刻、扇形棚は萩とススキを線刻。赤フェルト地の冠台とおぼしきものは、三番叟のモチーフ(鈴、能面箱等)。
時代 幕末
法量 女乗物 高3.7
旅道具(女乗物・行器・唐櫃・貝桶・茶弁当・長持他)。茶弁当には唐草、挟箱には菊唐草、女乗物には松竹梅、他は全て牡丹唐草を、そして各金具部を線刻。底面に赤フェルト地の跡があることから、もとは台に付着していたのだろう。
時代 幕末~明治
法量 箏の琴 長さ5
楽器類(箏の琴・琵琶・三味線・胡弓・鼓・笙・横笛・太鼓他)。箏の琴には木目を線刻。箏の琴、琵琶は銀の質感から明治か。
置物類(打出の小槌、犬張子、三方、屋形船他)。屋形船には茅葺き屋根や木目、兎付き三方には唐草を線刻。禎子所用銀製雛道具は他に文房具、茶道具、香道具等、その種類は多岐にわたり、いずれも精巧な造りである。
画像(牙首人形) |
時代 幕末 禎子所用銀製雛道具と同箱入りの牙首人形3体。それぞれに着付けがなされ、表情も豊かである。 |
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