公家・廣橋胤保の女(むすめ) 栄子(ながこ)。安政2年(1855)5月18日生。明治14年(1881)4月に11代鍋島直大の継室としてイタリアで結婚。昭和16年1月3日卒(87歳)。 京都永徳斎作の有職雛や明治40年に直大の還暦祝いに御夫妻で新調された次郎左衛門雛、京都大木平蔵作の三人官女、丸々と愛らしい御所人形、ブランコ 乗り人形や毛作り人形など。また大名家の雛道具は姫君の豪華な婚礼調度を精緻に小型化たもので、栄子の雛道具は一般的な牡丹唐草の意匠がほどこされる。鍋 島家伝来の雛道具の中では数量が最も多く、二~三組が一括されている。全体的に小振りで、御道具の種類は御膳具、化粧道具、旅道具、遊戯具、文房具、楽器 など多岐にわたる。 |
画像(11代鍋島直大夫人 栄子) |
画像(有職雛(直衣姿)) |
時代 明治時代初期 東京日本橋に店を構えた人形師永徳斎の作。初代永徳斎(山川永徳)は東京の次郎左衛門から明治期に引き継いでいる。 |
画像(次郎左衛門雛) |
時代 明治40年(1907)ヵ 明治40年に三越で購入。直大所用の次郎左衛門雛も遺っており、直大の還暦祝いとして夫婦であつらえたものか。 |
画像(三折れ人形) |
時代 明治時代 着せ替え式の抱き人形。胴体や手足を裂でつなぎ、自由な肢体をとる。模様・色など典型的な明治時代の着物。赤い紋縮緬の衣装は御所風の仕立て方。一番小さな人形は京都製ヵ。 |
画像(花車曳き人形) |
花車曳き人形 直大・栄子夫妻が明治40年に購入した人形8体のうちの1体。三越が雛を扱うのは明治40年くらいからであり、そのかなり早い時期のもの。 |
画像(毛作り人形) |
時代 明治時代 毛作り人形は犬6、鼠2、猫1、兎3。絹糸でできた毛をそろえて貼り込み、犬、猫、兎、鼠の動物を形作った人形。仕草や表情が愛らしい。毛植細工の動物は明治始めころ輸出品としてもてはやされた。 |
画像(女乗物) |
女乗物 時代 明治時代法量 高29.5 cm
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画像(三面盤) |
三面盤 時代 明治時代 双六盤の盤底に「御所にて/拝領せし双五六盤/竹印」とある。栄子は若いとき宮中に仕えており、結婚する前は竹子と呼ばれていたので竹印と栄子は何らかの関係があるのかもしれない。 |
画像(赤絵梅コーヒーカップ・ソーサー) |
時代 明治時代 カップとソーサーの底面の印(富士に流水)より、有田深川製磁の雛食器。 |
画像(三曲) |
時代 幕末ヵ 大文字牡丹の蒔絵が施される。11代直大の姉である慈貞院(七宝印)より栄子へ。 |
画像(コーヒー道具・煎茶道具) |
時代 明治時代 法量 (ポット)高8.5 cm
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画像(鍋島家での雛飾り風景) |
時代 明治42年 直大・栄子夫妻所用の雛人形を中心に飾り付ける。洋風の部屋一杯に飾り付けがなされている。軍服姿や看護婦姿の人形なども飾られ、時代性を反映している。今に遺る人形を探し、今はなき人形に思いを馳せることができる、見るほどに興味深い写真である。 |
画像(鍋島家での雛飾り風景) |
明治時代前期 直大・栄子夫妻所用の雛人形を中心に飾り付ける。座敷一杯に幕を張り7メートルはあろうかと思われる雛段には、歴代の雛人形、御所人形、雛道具類を所狭しと並べており、このような飾り方が宮家や華族家の通例であったと |
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